ホームページが止まるとメールも止まる? サーバー障害から考えたWebとメールの運用方法

ホームページを制作するとき、レンタルサーバーを契約して、そこにWordPressを設置し、同じサーバーでメールアドレスも作成する。
中小企業のホームページでは、ごく一般的な構成です。
管理するサービスが少なく、費用も抑えられるため、決して悪い方法ではありません。
しかし今回、お客様のサーバー障害に対応する中で、改めて考えさせられることがありました。
それは、「ホームページとメールは、本当に同じサーバーで運用する必要があるのか?」ということです。
メールが数日間使えなくなった
あるお客様が利用しているレンタルサーバーで障害が発生し、メールの送受信ができない状態が数日間続きました。
サポートにも問い合わせましたが、復旧の見通しが分からず、対応に苦慮する状況でした。
最終的にはメールが再び使えるようになったものの、原因や復旧までの経緯を十分に把握できたわけではありません。
もちろん、どんなサーバー会社でも障害が発生する可能性はあります。
問題は、障害が発生したときに業務を継続できるか、そして復旧までの対応を見通せるかということです。
特にメールは、お客様からの問い合わせ、注文、見積もり、取引先との連絡など、日常業務に直結しています。
ホームページが一時的に表示できなくなることも問題ですが、メールまで使えなくなると、業務への影響はさらに大きくなります。
ホームページとメールは別々のサーバーで運用できる
一般的なレンタルサーバーでは、ホームページとメールを一緒に運用できます。
しかし、実は両者を同じサーバーに置く必要はありません。
例えば、次のような構成も可能です。
- ホームページ:Xserver
- メール:Google WorkspaceやMicrosoft 365
実際に、弊社エンツナクリエイトでも、ホームページはXserver、メールはGoogle Workspaceで運用しています。
このように分離しておけば、Webサーバー単独の障害が発生しても、メールサービスが正常であればメールを使い続けられます。
また、ホームページのサーバーを変更するときにも、メール環境をそのまま維持できるというメリットがあります。
ただし、DNSやドメインの管理など、共通する部分に問題が起きれば両方に影響する可能性はあります。
サーバーを分けることは万能な対策ではありませんが、障害の影響範囲を小さくするための有効な選択肢です。


サーバー移転では「過去のメール」にも注意
今回、もう一つ改めて重要だと感じたのが、過去メールの引き継ぎです。
ホームページの移転では、WordPressのファイルやデータベースを新しいサーバーへ移します。
一方、メールは少し事情が異なります。
特にIMAP方式を利用している場合、メールは基本的にメールサーバー上に保存されています。
そのため、新しいサーバーに同じメールアドレスを作成して、メールソフトの接続先を変更しただけでは、過去のメールが自動的に引き継がれるわけではありません。
「メールアドレスは同じなのに、昔のメールが見られなくなった」
そんなことが起きる可能性があります。
もちろん、過去メールが消えてしまったとは限りません。旧サーバーに残っているメールを、新しいサーバーへコピーすることで引き継ぐことができます。
例えば、OutlookやThunderbirdで旧・新のメールサーバーに接続してコピーする方法や、IMAPのメール移行専用ツールを利用する方法があります。
重要なのは、サーバーを切り替える前に、メールの保存場所と移行方法を確認しておくことです。
受信トレイだけでなく、送信済みメールや独自に作成したフォルダも忘れずに確認する必要があります。
すべての会社がメールを分離する必要はない
ここまで読むと、ホームページとメールは必ず分離した方がよいと思われるかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
レンタルサーバーでまとめて運用すれば、費用を抑えられ、管理も比較的シンプルになります。
一方、Google WorkspaceやMicrosoft 365などを導入すれば、利用人数に応じた追加費用や管理の手間が発生します。
大切なのは、会社の規模や業務内容に合わせて選ぶことです。
例えば、メールが数時間止まるだけでも大きな損失につながる会社と、普段ほとんどメールを利用しない会社では、必要な対策も異なります。
単純な月額費用だけではなく、メールが使えなくなった場合の業務への影響も含めて考える必要があります。
ホームページ制作は、公開して終わりではない
今回の対応を通じて、改めて感じたことがあります。
ホームページを制作するとき、デザインや機能、SEOについては多くの時間をかけて検討します。
しかし、その裏側にあるサーバーやメールの運用については、意外と深く考えられていないこともあります。
普段は問題なく動いているため、意識する機会が少ないのかもしれません。
でも、実際に障害が発生すると、そうした見えない部分の重要性がよく分かります。
ホームページとメールを分けるという選択肢を知っておくこと。
サーバー移転では、過去メールの引き継ぎまで考えておくこと。
そして、障害が起きたときに、誰がどのように対応するのかを決めておくこと。
どれも特別に難しい話ではありませんが、企業のIT環境を安定して運用するためには大切なことです。
弊社でも、今回の経験を今後のホームページ制作や保守管理に活かし、お客様の事業に合ったIT環境を提案していきたいと思います。
投稿者プロフィール
-
株式会社エンツナクリエイト 代表取締役
三重県津市出身 名古屋在住
大阪音楽大学短期大学部音楽専攻ジャズコース卒業
WACA公認ウェブ解析士
DX推進アドバイザー
IT導入診断士
Mie WordPress Meetup 共同オーガナイザー
Zoho Japan Community Ambassador






