Ameba Owndのサービス終了から考える、ホームページの「引っ越しリスク」

2026年11月2日、ホームページ作成サービス「Ameba Ownd(アメーバ オウンド)」が、同年12月24日をもってサービスを終了すると発表しました。
Ameba Owndは、専門的な知識がなくてもホームページを作成・運用できるサービスとして、個人事業主や中小企業などにも利用されてきました。
今回の発表を受け、これまで運用してきたホームページをどうすればよいのか、困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、私たちのところにもホームページの移行についてご相談をいただいています。
今回の出来事は、Ameba Owndの利用者だけの問題ではありません。
ホームページを作る際に、どのようなサービスを選び、どのように長く運用していくべきなのか。
今回は、STUDIOやWixなどのSaaS型ホームページ作成サービスとWordPressを比較しながら、ホームページの運用について考えてみたいと思います。
Ameba Owndに何が起きたのか?
Ameba Owndは、2015年にサービスを開始したホームページ作成サービスです。
2026年10月22日、運営会社はシステムに対応が必要な脆弱性が見つかったとして、緊急メンテナンスを実施しました。
その後、11月2日にサイトの閲覧機能のみを再開するとともに、12月24日11時をもってサービスを終了することを発表しました。
公式発表では、以前からサービスの今後について検討しており、今回の事象を受けて、利用者のデータを長期的に安全に守りながらサービスを提供し続けることは難しいと判断したと説明されています。
なお、今回のサービス終了について、脆弱性の修正費用や運営コストがどの程度影響したかは公表されていません。
サービス終了までのスケジュール
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2026年11月2日 | サイトの閲覧機能のみ再開 |
| 2026年11月中 | ページ・記事・画像などのエクスポート機能を提供予定 |
| 2026年12月24日 11時 | サービス終了・エクスポート機能の提供終了 |
特に注意したいのは、サービス終了後はホームページの閲覧だけでなく、データの書き出しや復元もできなくなるという点です。
現在Ameba Owndを利用している方は、公式の最新情報を確認し、早めに移行の準備を進める必要があります。
SaaS型ホームページ作成サービスとは?
Ameba Owndのように、インターネット上で提供される仕組みを利用してホームページを作成・運用するサービスは、一般的にSaaS(Software as a Service)型サービスと呼ばれます。
代表的なものには、次のようなサービスがあります。
- STUDIO:デザインの自由度が高く、ノーコードでWebサイトを制作できるサービス
- Wix:テンプレートやさまざまな機能を利用してWebサイトを制作できるサービス
- Jimdo:比較的簡単な操作でホームページを制作できるサービス
これらのサービスでは、サーバーの構築やシステムのアップデートなどを、基本的にサービス提供会社が管理します。
利用者は、デザインや文章の作成、日々の情報更新に集中できるため、特に小規模なホームページでは便利な選択肢です。
SaaS型のメリット
SaaS型の大きなメリットは、導入や運用の手軽さです。
サーバーの専門知識がなくても利用でき、サービスによっては比較的低い初期費用でホームページを公開できます。
また、システムの保守やセキュリティ対策の多くをサービス提供会社が担うため、自社で管理する範囲を減らせます。
ただし、すべてを任せられるわけではありません。アカウントの管理やアクセス権限、掲載情報の取り扱いなどは利用者側でも適切に管理する必要があります。
SaaS型のデメリット
一方で、サービス提供会社の方針や仕様に依存するという特徴があります。
例えば、料金プランの変更、利用できる機能の制限、外部サービスとの連携終了、そして今回のようなサービス自体の終了などです。
特に問題になりやすいのが、別のサービスへ移行するときです。
文章や画像を取り出せたとしても、デザインやページ構成、更新機能までそのまま移行できるとは限りません。
つまり、データを取り出せることと、ホームページをそのまま引っ越しできることは別なのです。
WordPressなら安心なのか?
では、WordPressを利用していれば、こうした問題を避けられるのでしょうか。
WordPressは、世界中で利用されているオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。
一般的なレンタルサーバーなどにWordPressを設置する構成では、利用するサーバー会社を変更したり、サイトのデータを別の環境へ移したりすることができます。
そのため、特定のホームページ作成サービスに依存しにくいというメリットがあります。
しかし、WordPressにも注意点があります。
WordPress本体やテーマ、プラグインは、適切にアップデートしなければセキュリティ上の問題につながる可能性があります。
また、テーマやプラグインの開発が終了することもあります。
サーバー会社のサービス終了や仕様変更への対応が必要になる場合もあるでしょう。
WordPressだから何もしなくても安心、というわけではありません。
自由度が高い分、適切な保守管理が求められるのです。
SaaS型とWordPressを比較してみる
それぞれの特徴を表にまとめてみました。
| 比較項目 | SaaS型(STUDIO・Wixなど) | WordPress(自社管理型) |
|---|---|---|
| 初期導入 | 比較的手軽 | サーバーや初期設定が必要 |
| 制作費用 | 小規模サイトでは抑えやすい | 構成や機能によって幅がある |
| 月額費用 | サービス利用料 | サーバー・ドメイン・保守費など |
| デザイン | サービスの機能範囲内 | テーマや開発によって柔軟に対応 |
| 機能拡張 | 提供機能や連携サービスに依存 | プラグインや独自開発で拡張可能 |
| セキュリティ更新 | 基盤部分は主に提供会社が対応 | 管理者側での対応が必要 |
| データ移行 | エクスポート仕様に依存 | データや環境を移行しやすい |
| サービス終了時 | 別サービスへの移行が必要 | 別のサーバーへ移行できる場合が多い |
| 日常の運用負担 | 比較的小さい | 保守体制の整備が必要 |
※一般的な傾向であり、契約プランや制作方法、利用する機能によって異なります。
この表を見ると、どちらか一方がすべての面で優れているわけではないことが分かります。
SaaS型が向いているケース
例えば、次のような場合はSaaS型が有力な選択肢になります。
- 数ページ程度の小規模なホームページ
- システムの保守管理にあまり手間をかけたくない
- 提供されている機能だけで十分に運用できる
- 初期費用をなるべく抑えたい
WordPressが向いているケース
一方、次のような場合はWordPressを検討する価値があります。
- 企業の公式ホームページとして長期間運用したい
- ブログやお知らせなどの情報発信を継続したい
- 将来的にページや機能を増やす可能性がある
- 特定のサービスに依存しすぎない構成にしたい
- 制作会社や保守担当者による管理体制を確保できる
もちろん、長期運用する企業サイトでもSaaS型が適している場合はあります。
重要なのは、サイトの規模や目的だけでなく、運用する人や予算も含めて検討することです。
ホームページを移行するときに注意したいこと
今回のAmeba Owndのように、別の環境への移行が必要になった場合、単に新しいホームページを制作すればよいというわけではありません。
特に確認しておきたいポイントがあります。
1. 文章や画像などのデータを確保する
まずは、現在のホームページに掲載している文章や画像を保存しましょう。
エクスポート機能がある場合は活用し、必要に応じて元の画像データや原稿も確認しておくと安心です。
2. 独自ドメインの管理状況を確認する
独自ドメインを利用している場合、ドメインの契約先や管理者、更新期限を確認します。
同じドメインを新しいホームページでも使う場合は、DNS設定の変更が必要になることがあります。
また、同じドメインでメールを利用している場合は、メールの設定に影響が出ないよう注意が必要です。
3. URLの変更による影響を確認する
ホームページのURLが変わると、検索エンジンからの流入や、外部サイトに掲載されているリンクに影響が出る場合があります。
可能であれば、旧URLから新URLへのリダイレクトを設定することが望ましいですが、利用していたサービスの仕様によっては設定できないこともあります。
4. 更新しやすい仕組みを考える
既存サイトの見た目を再現することだけに集中すると、公開後の更新が難しくなる場合があります。
例えば、これまで簡単に更新できていたお知らせや商品紹介が、新しいサイトでは専門知識を必要とする仕組みになってしまっては本末転倒です。
移行を機に、ページ構成や更新方法を見直すことも大切です。
ホームページは「作るとき」だけでなく「やめるとき」も考える
ホームページを制作するとき、多くの方がデザインや機能、制作費用を気にされます。
もちろん、どれも大切な要素です。
しかし、今回のAmeba Owndのサービス終了を見て、改めて感じたことがあります。
それは、ホームページをどのように作るかだけでなく、将来どのように移行できるかまで考えておくことが重要だということです。
サービス終了だけでなく、事業の成長、担当者の変更、制作会社の変更など、ホームページを取り巻く環境は変わっていきます。
そのときに、文章や画像、ドメインなどの大切な資産を適切に引き継げるかどうか。
これは、長く事業を続けるうえで見落とせないポイントだと思います。
SaaS型サービスは、手軽で便利な仕組みです。WordPressには、自由度や移行の柔軟性というメリットがあります。
どちらを選ぶにしても、メリットだけでなく、将来の変更や移行に伴う負担まで理解しておきたいものです。
まとめ:自社に合ったホームページの運用方法を選ぼう
今回のAmeba Owndのサービス終了は、ホームページを長期的に運用することの難しさを改めて考えるきっかけになりました。
ホームページは、一度公開すれば終わりというものではありません。
日々の更新、セキュリティ対策、サービスの仕様変更への対応など、継続的な運用が必要です。
そして、場合によっては別の環境への移行も必要になります。
だからこそ、ホームページを新しく作る際には、目先の制作費用やデザインだけでなく、5年後、10年後も無理なく運用できる仕組みかどうかを考えることが大切です。
私たちエンツナクリエイトでは、WordPressをはじめとしたWebサイト制作だけでなく、お客様の目的や運用体制に合わせた仕組みづくりを大切にしています。
ホームページの移行や運用方法についてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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株式会社エンツナクリエイト 代表取締役
三重県津市出身 名古屋在住
大阪音楽大学短期大学部音楽専攻ジャズコース卒業
WACA公認ウェブ解析士
DX推進アドバイザー
IT導入診断士
Mie WordPress Meetup 共同オーガナイザー
Zoho Japan Community Ambassador





