鬱陶しいフォーム営業、400文字制限で本当に止まった!その理由を考えてみた

Webサイトを運営していると、お問い合わせフォームから営業メッセージが届くことってありませんか?
Web制作、SEO対策、広告運用、営業支援、人材紹介……。
弊社にも、毎日のようにこうした営業メッセージが届いていました。
正直なところ、これがなかなか鬱陶しい。
お問い合わせフォームは、本来、お客様からのご相談やご質問を受け付けるためのものです。
それなのに、毎日のように営業メッセージが届く。
しかも、最近はAIで生成したような、やたら丁寧で長文の営業メッセージも見かけます。
そんな中、たまたまXで見かけた投稿をきっかけに、お問い合わせフォームの設定を少し変更してみました。
変更したのは、入力できる文字数を400文字に制限すること。
すると驚いたことに、それまで毎日のように届いていたフォーム営業が、4日間まったく届かなくなったのです。
今回は、その方法と、なぜ効果があったのかについて考えてみたいと思います。
きっかけは、運営堂・森野さんの投稿
先日、Webマーケティングの専門家である運営堂・森野誠之さんのXへの投稿を見かけました。
内容は、お問い合わせフォームの入力欄を400文字に制限したところ、それまで大量に届いていたフォーム営業がほとんど来なくなったというもの。
さらに興味深かったのは、その後に届いた営業メッセージのお話です。
400文字という制限の中で、相手のことをきちんと調べ、伝えたいことをまとめたような営業メッセージが届いたそうです。
森野さんは、その丁寧さに思わず返信したくなり、実際に返信されたとのこと。
単に営業メールを減らすだけでなく、相手のことを考えて送られた営業が際立つ結果になったというのは、なかなか面白い話です。
詳しくは森野さんの元記事をご覧ください。
フォームを400文字にしたら、返信したくなる営業メールが届いた|運営堂 森野誠之
さて、この投稿を見て思いました。
「なるほど、文字数制限か。でも、それだけで本当に止まるのかな?」
正直、半信半疑でした。
ただ、設定自体は簡単なので、さっそく弊社のお問い合わせフォームでも試してみることにしました。
お問い合わせフォームを400文字に制限してみた
今回行ったことは、非常にシンプルです。
お問い合わせ内容の入力欄を、最大400文字に設定しただけ。

弊社では、お問い合わせフォームに「Zoho Forms」を使用しています。
そのため、Zoho Formsの設定画面から入力可能な文字数の上限を変更しました。
特別なプログラムを作ったわけでも、AIによる迷惑メール判定を導入したわけでもありません。
設定を変更して、あとは様子を見るだけです。
すると……。
4日間、フォーム営業が1件も来なくなった!
これには正直驚きました。
それまで毎日のように届いていたフォーム営業が、設定変更後、4日間まったく届かなかったのです。
「えっ、本当にこれだけで止まるの?」
もちろん、まだ4日間という短い期間での結果です。
たまたま営業メッセージが少なかった可能性もありますし、今後また届くようになるかもしれません。
そのため、400文字制限によって完全に防げたと断言することはできません。
それでも、これまでの状況を考えると、なかなか興味深い変化でした。
では、なぜ文字数を制限しただけで、このような結果になったのでしょうか。
なぜ400文字制限でフォーム営業が止まったのか?
最初に考えたのは、AIやツールによる自動送信が、文字数制限に引っかかっているのではないかということでした。
最近では、企業のWebサイトを収集し、お問い合わせフォームに営業メッセージを自動送信するツールも存在します。
仮に、1,000文字の営業メッセージを送信するように設定されていたとします。
しかし、送信先のフォームが400文字までしか受け付けなかったらどうでしょうか。
フォームの仕様によっては、文章が途中で切れてしまったり、入力内容の検証でエラーになったりします。
自動送信ツールがそうしたエラーに対応していなければ、そのまま送信を諦める可能性があります。
なるほど、そういうことかもしれない。
……と思ったのですが、調べているうちに、もうひとつ面白い可能性に気づきました。
実はフォーム営業には「人力」という方法もある
気になってクラウドソーシングサービスのランサーズを調べてみると、フォーム営業の代行サービスが数多く掲載されていました。
中には、1件数円という単価でフォーム送信を代行するサービスもあります。
つまり、フォーム営業は必ずしもAIや自動送信ツールによって行われているわけではないのです。
人間が企業のWebサイトを開き、用意された営業文章をコピー&ペーストして送信する。
そんな方法も考えられます。
ここで、ちょっと想像してみてください。
1件5円でフォーム送信を請け負っている人がいたとします。
通常のフォームなら、営業文章をコピーして貼り付け、送信するだけ。
ところが、400文字制限のあるフォームに遭遇したらどうでしょうか。
用意された文章が800文字だった場合、半分に削らなければなりません。
しかも、ただ削ればいいわけではなく、意味が通るように文章を修正する必要があります。
それなら、わざわざ文章を修正するより、次の企業に送った方が効率的ではないでしょうか。
もちろん、実際に営業代行をしている方がどのように作業しているのかは分かりません。
ただ、送信件数に応じて報酬が発生する仕組みであれば、手間のかかるフォームを避けるという判断は十分に考えられます。
400文字制限は「技術的なブロック」ではなく「経済的なブロック」なのかもしれない
今回のことを考えていて、ひとつ興味深いと思ったことがあります。
それは、400文字制限が、フォーム営業の費用対効果を悪くしている可能性があるということです。
AIによる自動送信であれば、長文の入力エラーが発生する可能性があります。
人力によるフォーム営業であれば、文章を修正する手間が増えます。
つまり、どちらの場合でも、定型文をそのまま送信するという効率的な方法が通用しにくくなります。
フォーム営業を完全に技術的に遮断しているわけではありません。
しかし、送信する側にとって「手間のかかるサイト」になることで、結果的に営業が減る可能性があるわけです。
これは、なかなか面白い仕組みだと思いました。
もちろん、400文字以内の営業文章を最初から用意すれば、簡単に対応できます。
AIに「この営業文章を400文字以内にまとめて」と指示すれば、短時間で文章を作ることもできるでしょう。
そのため、今回の方法は万能な対策ではありません。
それでも、大量送信を前提としたフォーム営業に対して、一定の抑止効果が期待できるのかもしれません。
フォーム営業は、単なる迷惑メールでは済まない
ちなみに、弊社の場合、フォーム営業にはもうひとつ困っていることがあります。
弊社のお問い合わせフォームは、Zoho CRMという顧客管理システムと連携しています。
お問い合わせがあると、自動的に見込み客として登録される仕組みです。
ところが、フォーム営業も通常のお問い合わせと同じように登録されてしまうため、CRMの中には営業目的のデータがどんどん蓄積されていきます。
一応、お問い合わせ区分には「弊社への提案」という項目を用意しています。
これを選択してもらえれば、ある程度は営業目的の問い合わせを区別できます。
しかし、残念ながら、すべての営業が正しく選択してくれるわけではありません。
さらに、弊社ではGoogle Analytics 4(GA4)を利用し、お問い合わせ完了後のサンクスページへの到達をコンバージョンとして計測しています。
つまり、フォーム営業が送信されるたびに、コンバージョンまで増えてしまうのです。
当然、それらは本来の意味での見込み客ではありません。
そのため、正確な成果を把握するには、不要なデータを除外して集計し直す必要があります。
フォーム営業の問題は、単にメールが鬱陶しいというだけではなく、営業管理やアクセス解析のデータ品質にも影響しているのです。
だからこそ、今回の400文字制限によってフォーム営業が減ったことには、想像以上のメリットがありました。
なお、CRMやアクセス解析におけるフォーム営業の対策については、また別の記事で詳しくご紹介したいと思います。
Contact Form 7でも簡単に設定できます
WordPressをご利用の場合、「Contact Form 7」を使ってお問い合わせフォームを設置している方も多いのではないでしょうか。
Contact Form 7では、フォームタグに maxlength オプションを追加することで、入力できる文字数の上限を設定できます。
例えば、お問い合わせ内容を400文字に制限する場合は、次のように記述します。
[textarea* your-message maxlength:400]
your-message の部分は、お使いのフォームの項目名に合わせて変更してください。
また、入力中に残りの文字数を表示することもできます。
[textarea* your-message maxlength:400]
残り [count your-message down] 文字
このように設定すると、入力に応じて残り文字数が減っていきます。
詳しい設定方法については、Contact Form 7の公式サイトをご確認ください。Contact Form 7
Contact Form 7公式:最大、最小長オプションと文字数カウント
※弊社ではZoho Formsを使用しています。
400文字制限を導入する際の注意点
今回の方法は手軽ですが、すべてのWebサイトにおすすめできるわけではありません。
特に気をつけたいのは、本来のお客様からのお問い合わせまで制限してしまう可能性があることです。
例えば、システム開発の相談や、トラブルの状況説明など、詳細な文章が必要になるお問い合わせでは、400文字では足りないかもしれません。
そのため、業種やお問い合わせの内容によって、適切な文字数を検討する必要があります。
また、文字数制限を設ける場合は、必ず入力欄の近くに「400文字以内でご入力ください」と明記しておきましょう。
何も知らずに長文を入力しようとして、途中で入力できなくなってしまうのは、利用者にとって不親切です。
できれば残り文字数も表示しておくと、さらに分かりやすくなります。
もちろん、設定変更後には、実際にお問い合わせフォームから正常に送信できることを確認しておきましょう。
迷惑営業を減らすことも大切ですが、本来のお客様が安心してお問い合わせできることが何より重要です。
まとめ:意外とシンプルな方法が効果的なのかもしれない
今回、弊社が行ったのは、お問い合わせフォームの入力文字数を400文字に制限するという、ごく簡単な変更でした。
その結果、少なくとも4日間は、それまで毎日のように届いていたフォーム営業がゼロになりました。
最初は、AIや自動送信ツールが文字数制限に引っかかったのではないかと考えていました。
しかし、調べてみると、人力によるフォーム営業代行という方法もあり、単純に自動送信だけの問題ではないことが分かりました。
もしかすると、今回の400文字制限は、営業する側にとって「割に合わないフォーム」にすることで効果を発揮したのかもしれません。
もちろん、今後も効果が続くかどうかは分かりません。
それでも、特別なツールを導入しなくても、ちょっとした仕組みの変更で業務の負担を減らせる可能性があるというのは、面白い発見でした。
そして、もうひとつ。
森野さんの元記事にもあったように、400文字という制限があっても、相手のことを考えて丁寧に営業する人はいます。
結局のところ、AIを使うかどうか、人力で送るかどうかよりも、相手のことをきちんと考えているかどうかが大切なのかもしれません。
AIや自動化によって大量の営業メッセージを送れる時代だからこそ、受け取る側も仕組みで対応する。
これは、日頃から中小企業の業務改善やDX支援に携わる立場としても、興味深い事例でした。
しつこいフォーム営業にお悩みの方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
最後に、今回のきっかけをくださった運営堂の森野さん、ありがとうございました!
運営堂:公式サイト
投稿者プロフィール
-
株式会社エンツナクリエイト 代表取締役
三重県津市出身 名古屋在住
大阪音楽大学短期大学部音楽専攻ジャズコース卒業
WACA公認ウェブ解析士
DX推進アドバイザー
IT導入診断士
Mie WordPress Meetup 共同オーガナイザー
Zoho Japan Community Ambassador





